主演・野村周平の映画『WALKING MAN』公開記念/監督ANARCHYにインタビュー

 

――――言葉で運命をひっくり返す。

人気ラッパーANARCHY初監督/主演 野村周平の映画『WALKING MAN』が10月11日(金)より全国公開いたします。今回は公開を記念して監督のANARCHYさんにインタビュー。初めての監督業にたいする思いや製作の裏側、野村周平さんとのエピソードを語っていただきました。

 

 

―以前から“映画を撮りたい”と構想を練っていたという監督。音楽ではなく映画で表現したいと思った理由は?

誰にでも、忘れられない映画ってあるじゃないですか。そしてそうゆう作品って、その人の考え方を作ったり、人生を左右するもんだと思っていて。それは音楽も一緒なんですけど。目で見て、耳で聞いて、どこで見るか、誰と観るかでも感じ方が違って、音楽だけでは表現しきれないものがあると思っています。あと、自分で自分のことを歌うだけじゃなくて、俳優たちが僕の伝えたいメッセージとか、台本に詰まったメッセージを読み取って伝えもらうというのも面白いと思いました。

 

ー監督がこれまで影響を受けてきた映画とは?

僕、実はコメディ映画が好きで、ジム・キャリーの映画をすごい見ていました(笑)。あとは青春映画。「ロード・オブ・ドッグタウン」(2005)とかすごい好きですね。バッドエンドの映画は好きじゃないんです(笑)。

 

コメディも作りたかったけど、やっぱ今自分が持っているものとか経験したものって、ヒップホップとかラップとかしかなくて。その中で表現できるものを作ろうっていうのは最初から決めていました。でも僕のことを伝えるというよりも、誰にでも当てはまるものを作りたい。ヒップホップ映画というよりも一つのストーリーを伝えられたらいいなと思って作りました。

 

 

―普段から交流のあるという野村周平さんが主演に決まった経緯を教えてください。

もともと別の方で主演を考えていたんですけど、その子が無理になってしまって。もう台本もできてて、キャストを決めていかなきゃいけなかったので困ってたんです。そんな中、いろんな人に台本を読んでどう思うか聞いてたうちの一人が周平君で。周平君の方から「俺やりましょか?」って(笑)。忙しいだろうし無理やろって思って、そんなお願いするつもりじゃなかったんですけど、彼の男気を感じましたね。周平君が決まったことによって、参加してくれるキャストの人たちもいたと思うし、ほんと様様って感じでした(笑)。

 

―ラッパーの演技についてはどうでしたか?

普段の周平君は、僕らと一緒って感じで(笑)。芸能人芸能人してないってのもあるし、一緒にスケボーで遊んだりお酒のんだり。いつも僕の前で僕のラップしてるんで、撮影する前から彼がラップをすることに関しては違和感がなかったですね。

 

でも僕らの前だけではラップできても、実際現場で100人くらい人がいるなかでラップするってまあまあできないと思ってたんですけど。彼は度胸がありますね(笑)。俺が出したいストリートの感じや、ラッパーの感じとかをちゃんと捉えて演じてくれました。野村君以外だったらもっと苦労しただろうなと思います。

 

 

―人前で話すのが苦手な青年を演じた野村さん。普段遊んでいるときと印象は違いましたか?

後から編集していて気づいたんですけど、全然しゃべれないシーンと、しゃべれるシーンで、表情まで変えているんですよね。はじめは黙ってるだけだし僕でもできるんとちゃうかって思ってたんですけど、やっぱ無理無理って(笑)。俳優さんすごいなあって思いましたね。

 

現場でも台本読んでる姿とかあまり見なかったんですけど、きっと役に入るためにいろいろやってるのかな、ていうのが撮っているうちにわかりました。撮影中は周平から「ここ、こうした方がいいんじゃないですか」とか、こっそり僕だけに言ってくれたり(笑)。サポートまでしてくれてました。

 

―撮影していて楽しかったシーンはありますか?

ラップバトルのシーンは面白かったですね。ほんとのラッパーと周平を戦わす、ていう。たまに周平が勝っちゃうから、勝ったらダメだよって言いながら(笑)。

 

実際にクラブハウスでラップバトルというのが行われていて、実際行ってみると面白いですよ!プロレスみたいで(笑)。ライブとかとはまた違って、みんな熱いモノがあるんです。

 

―反対に、初監督に挑戦していて辛かったことはありましたか?

僕が監督なのに、僕が一番下っ端って感じた瞬間ですね(笑)。撮影序盤は勝手にカット割りとか進んでたりして、それを見ながら勉強してました。でも時間もないしキャストも待たせられないし、しょうがなくて。そうゆうときですかね(笑)。

 

でも後半になるにつれて、自分の撮りたい絵、というのがわかってきて楽しくなっていきました。蓮司(石橋蓮司)さんとか真起子(渡辺真起子)さんが現れるあたりから「やばい、何もしてないのバレたらやばい」って思い出して(笑)。負けたらあかんと思って、ここから撮りたい、ああしたいって、頑張りました。

 

 

―思い出深いシーンを教えてください

思い出深いのは、クランクアップのシーンなんですけど、最後の橋の上での兄弟のシーン。あそこにこの映画のすべてが詰まっていると思っています。撮影してて自分で泣けましたね。あのシーンがあったから、いい作品が撮れたと確信が持てました。

 

 

―主人公・アトムとANARCHYさんの共通点はありますか?

自分に対してや世の中に対して、何かを感じたり、不満や言いたいことがないとラップって歌えないと思うんです。俺とかだったらおしゃべりだから吐き出せるけど、それでもラップでしか言えないこともあって。ラップを通して言いたいことを言って、助けられているっていう部分はアトムと一緒かもしれないですね。

 

 

―劇中に登場する「自己責任」や「なめんな」など心に刺さるような言葉が印象的でした。監督が自分を鼓舞するときに大切にされている言葉はありますか?

僕が大切にしているのは「楽しまなきゃ意味がない」という言葉です。楽しい時に楽しむのは当たり前ですけど、悲しい時、辛い時こそ楽しめば、いい方向に向かっていけると思っています。そして、それがラップだったりもして。辛いことってラップのネタにもなるし、マイナスなことをプラスにできるから俺はラップが好きなんですよね。辛いこと、傷ついたこともそれが音楽になっちゃう。音楽にのせることが幸せに繋がっていて。そうゆう部分がこの映画にも出ているかなと思います。

 

―最後に、映画監督として次回撮りたい作品はきまっていますか?

次はもっとヒップホップよりの映画を撮ってみたいと考え中です。ラッパーになっていくまでのしがらみや、ヒップホップに必要なものとか、もっとヒップホップを知ってもらえる表現を追求したいです。なので、次回はヒップホップをやらせてもらって、その次はコメディーに挑戦しようかな(笑)。

 

 

 

2か月に一度は名古屋に訪れライブをしているというANARCHY監督。

たっぷりたっぷり語ってもらいました。

映画『WALKING MAN』。

野村周平さんが歌う魂のラップと、ラップを通して成長を遂げる鮮烈な青春物語。

見どころは語りつくせないですが、、

ぜひ劇場にてご覧ください。

 

 

◆STORY◆

川崎の工業地帯。幼い頃から人前で話すことも笑うことが苦手なアトム。極貧の母子家庭で、母と思春期の妹ウランと暮らしながら、不用品回収業のアルバイトで生計をたてる日々を送っていた。ある日、母が事故にあい重病を負ってしまう。家計の苦しさから保険料を滞納していた一家に向かって、ソーシャルワーカーの冷淡な声が響く。「自己責任って聞いたことあるでしょ?なんでもかんでも世の中のせいにしちゃダメだからね」。毎日のように心無い言葉を投げつけられるアトムだったが、偶然ラップと出会ったことでバカにされながらも夢へと向かっていく―。

 

◆ANARCHYさんが歌う主題歌もチェック◆

 

 

10月11日(金)より絶賛全国公開中

映画『WALKING MAN』

野村周平 優希美青 柏原収史 伊藤ゆみ 冨樫真 星田英利 渡辺真起子  石橋蓮司

監督:ANARCHY 脚本:梶原阿貴 企画・プロデュース:髙橋ツトム

主題歌:ANARCHY “WALKING MAN”(1% | ONEPERCENT)

制作プロダクション:ブロードマークス 配給:エイベックス・ピクチャーズ

製作:映画「WALKING MAN」製作委員会

https://walkingman-movie.com/

 

(C) 2019 映画「WALKING MAN」製作委員会

 

 

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