9/13(金)より絶賛公開中、〈人間失格 太宰治と3人の女たち〉の舞台挨拶が名古屋の劇場「ミッドランドスクエアシネマ」で行われました。
現れたのは、新幹線に乗り遅れるというハプニングにより、危うく着替える時間もないのではないかと焦っていたという、主演・小栗旬さん。そんな様子はうかがえないほど、ビシッと決まったスーツ姿での登場です。
また、世界で活躍する写真家であり、今回の映画監督 蜷川実花さん。7年もの構想を経ての、待望の公開となるそう。
天才作家・太宰治のスキャンダルな恋と人生を大胆に映画化した今作。撮影時のエピソードや、太宰治の人物像について語っていただきました。
ー小栗旬さん演じる太宰治の印象を教えてください
(蜷川さん)
それぞれの女性に対して、キスの仕方ひとつとっても全然変わっていく、いろんな小栗くんを見ることができるのがポイントだと思います。モニター越しに小栗くんが演じているのを見て、その色っぽさに興奮してしまいました。笑
ー監督からのラブコールを受けての出演となった小栗さん。太宰治という実在の人物を演じるのはどうでしたか?
(小栗さん)
難しかったですね。言うなれば、三島由紀夫さんなどは映像や音声も残っていて、どうゆう声でどうゆう話し方をする方なのか分かりますが、太宰さんは写真は残っているんですけど、音声や動いている姿はほとんど残ってなくて。どんな方だったのか想像がつかず、難しく感じました。
ですが逆に言うと、太宰治ファンも知らないことだと思うので(笑)。“あの人はこうだ!”と残っていないのが、演じやすい部分でもありました。だってどんなに太宰ファンの人が、“違う”って思っても、“いやいや会ったことないでしょ”って言えるしね(笑)。
ー監督の解釈から作られた、今回の太宰治像。自身の持っていたイメージと、映画を撮り終わった後で、イメージ像に変化はありましたか?
(蜷川さん)
小栗くんが肉体を駆使して演じてくれたのを見ると、自然と”ああ、こうゆう人だったのかもしれないな”と思えてきますね。起きてる事柄だけを追っていくと、ほんとひどい男じゃない?女性に対してとか。でもそこが、誰しもが抗えない魅力的な男性として、映すことができて、ほんと小栗くんに頼んでよかったな、と何回見ても思います。
ー映画では、どこか可愛らしかったり、面白い部分もありましたね
(蜷川さん)
まあ、これはコメディですよね(笑)。
(小栗さん)
完全な喜劇です(笑)。(二階堂ふみさん演じる)富栄さんは後半ホラーでもありますからね(笑)
(蜷川さん)
それがまた、ほぼほぼ実話だっていうところが、背筋がスッとしますよね(笑)。
(小栗さん)
実際にも、割と泣き上戸で、ひょうきんな方だったと聞きましたよ。ほんと、興味が尽きない人物ですよね。
ー女優陣はもちろん、俳優陣もとても豪華なのが印象的でした。一番近くにいた成田凌さんとのエピソードはありますか?
(小栗さん)
佐倉くんですか(成田凌さん役名)。よく撮影現場の外を走ってましたよ。ひとつの場所でじっとしていられないのかな(笑)。僕は後半、気だるくなってしまっていたので、座ったところからしばらく動かない、という状態だったんですけど、彼はエネルギーが有り余っていたのか、スタジオの外を走り回り、すごく重たい縄跳びを飛んでいたりしてましたよ(笑)。
(蜷川さん)
そんなことやってたの!?(笑)
(小栗さん)
成田くんとはすごい仲良しになっちゃって。とても可愛い子ですね(笑)。
ーお二人が対峙する祭のシーン、とても迫力がありました。
(蜷川さん)
あのシーンはとても楽しかったですね。結構な長回しでクレーンを使って二人を撮影したのですが、エキストラの方たちもたくさん入っていたので緊張感があって。撮影の直前、イヤホンで聞こえちゃったんだけど、「俺ら絶対間違えないようにしような」って二人がぼそぼそ言ってて(笑)。
(小栗さん)
結構タイミングが合わなかったり、いろんなことが重なって、何テイクもやってたんですよね。とにかく僕ら二人のどちらかが失敗したらダメじゃないですか。だから二人で「絶対間違えないようにしような」って言い合ってたんです(笑)。
ー前作でも共演がありました、藤原竜也さんとのシーンはいかがでしたか?
(蜷川さん)
あのシーンも名シーンですよね(笑)。竜也が面白かったですね。
(小栗さん)
なんで俺がお前の映画に出なきゃいけないんだよ、って言ってましたけどね(笑)。でもやっぱりすごいですね。見る人みんなの視線を集める力というか。
(蜷川さん)
わずか2シーンのみなのですが、1回目の登場と2回目の登場で芝居の作り方が全然違うんですよね。
(小栗さん)
いつも会うと、きっと何も考えていないんだろうなって思うんですけど、いざ撮影に入ると、”ああ、この人すごい考えてきてくれるんだ”ってびっくりさせられます。
ー最後に名古屋のみなさんにメッセージをお願いします!
(蜷川さん)
7年間かけてずっと作ってきた作品が、今日こうやってみなさんに見てもらえてとても嬉しいです。ほんとに今日はありがとうございました。
(小栗さん)
今日はありがとうございました。みんなが愛してくれて、この作品がいろんな人に届いてくれたらなと思います。
現在絶賛上映中の〈人間失格 太宰治と3人の女たち〉。とても色っぽい小栗旬さん演じる太宰治と、蜷川実花監督らしい華やかで美しい映像美が楽しめるこの作品。ぜひ劇場でチェックしてくださいね!
◆ストーリー◆
天才作家、太宰治。身重の妻・美知子とふたりの子どもがいながら恋の噂が絶えず、自殺未遂を繰り返すー。その破天荒な生き方で文壇から疎まれているが、ベストセラーを連発して時のスターとなっていた。太宰は、作家志望の静子の文才に惚れこんで激しく愛し合い、同時に未亡人の富栄にも救いを求めていく。ふたりの愛人に子どもがほしいと言われるイカれた日々の中で、それでも夫の才能を信じる美知子に叱咤され、遂に自分にしか書けない「人間に失格した男」の物語に取りかかるのだが・・・
今、日本中を騒がせるセンセーショナルなスキャンダルが幕を明ける!
映画〈人間失格 太宰治と3人の女たち〉
【監督】
蜷川実花
【キャスト】
小栗旬 宮沢りえ 沢尻エリカ 二階堂ふみ 成田凌 千葉雄大 瀬戸康史 高良健吾 藤原竜也 ほか
© 2019 『人間失格』製作委員会