現在公開中! 絶賛の声多数の映画〈凪待ち〉を 主演・香取慎吾さんが語ります!

6/28(金)より公開がスタート!大きな注目とともに、たくさんの絶賛の声を集めている、白石和彌監督の最新作、映画〈凪待ち〉。

 

主演を務める香取慎吾さんが、撮影の裏側や、ロケ地・石巻市の印象、監督との出会い、そして映画〈凪待ち〉に対する思いについてじっくりと語っていただいた、全国縦断完成披露舞台挨拶 in名古屋の模様を一挙ご紹介します!

 

 

ー主役:木野本郁男を演じられてどうでしたか?

僕が今まで演じた役と一番違う役だな、と演じながら感じていました。今まではだれか困った人がいたら、誰よりも先に正義を叫ぶような役が多かったんですけど、今回は何か大変なことが起きそうなときに誰かの背中に隠れてしまうような、逃げる部分が多い役でしたね。普段は役作りとかあまりしないんですけど、今回は僕自身正義感が強い方なので、正義を押し殺すよう意識しました。

 

ー今回、役のビジュアルについて、ファンからのコメントが多いようですね!

ポスタービジュアルが発表になった時、みなさんのTwitterとかを見てみると“見たことのない慎吾ちゃんだ”というコメントがすごく多かったです。でも、みなさんがそう言ってくれているのを見て、僕が思ったのは「いやいやこれいつもの僕だけど」って(笑)。アイドルとして30年以上、きれいな身なりでみなさんの前に立っているけど、そうじゃない僕の生活もあるんですよ(笑)。そこでは髪もセットしていなければ、メイクもしてなくて、ひげが生えている時間も同じだけあって。だからぜんぜんいつもの慎吾ちゃんなのに、なんでみんながあんなに反応するんだろうって、初めての感覚でした。

 

“アイドルはおならしない”みたいな感じで、“慎吾ちゃんは髭が生えてこない”みたいに思ってるのかなぁ~って。そう考えると、今までのアイドルっていう役の役作り、完璧だったんだなって思います(笑)。

ー今回ロケ地が石巻市ということで、石巻市での撮影はどうでしたか?

被災以降、何度か足を運ばせていただいてたんですけど、長い時間滞在できることが少なかったので、この撮影で約1か月滞在できたことはとてもよかったです。今の石巻市に実際に住んでいる方々からたくさんの話が聞けて、また実際に自分の目で見ることができて、すごくいい経験ができました。あとは、海鮮丼が美味しかったですね(笑)。

 

ー作品には、リアルな石巻市の人々がエキストラとして出演していると聞きました

はい、そうなんです。エキストラって、後ろの方を通行人として通ったりするだけのことが多いのですが、この映画の中では町の方たちが立派な“役”としてたくさん登場しているんです。僕の殴り合いの場面で、地域の人々に取り押さえられるシーンも、実際の町の人たちだったり。あとは市場のシーンも、ほんとの市場の方たちで。「普段通りにしてればいいんでしょー?」って、肝が据わっているので驚きました(笑)。もし僕が逆の立場だったら、普通にできないのになって。普段それだけの人数がみんなエキストラだと、どこか緊張感が現場に溢れたりするんですけど、そのおかげもあって、より自然な空気の中で演技をすることができてよかったです。

 

ー今回、白石監督の熱望が叶っての出演と聞きました。それを知ったときはどう思いましたか?

実は僕、白石監督のことを存じ上げていなかったんです。まず白石監督とご一緒できると聞いて、『凶悪』という作品を見て、なんてやばい監督と仕事をするんだって思いました(笑)。そのあと、監督とはじめてお会いするっていう日の前に『孤狼の血』を映画館に見に行って、さらに怖くなって。この作品たちを作った人はどんな怖い人なんだろうって(笑)。でも会った瞬間に「いつか香取さんとご一緒するの楽しみにしていたんです」ってすごい言ってくれて、下手したら、これはドッキリなんじゃないかな、って思うくらい驚きました。思い描いていた“白石和彌”像が全然違って、優しくて。一気に緊張感が解けましたね。

 

その時監督は、「今回は、自分はあまりやってないんですけど、ヒューマンドラマをやりたいんです」っておっしゃっていて。でもいざ撮影が始まってみると、毎日バイオレンスのシーンばかりで(笑)。合間に“ねえ監督、始まる前ヒューマンドラマって言ってなかったでしたっけ?”って話をしながら撮影が進んでいきました(笑)。

 

完成した作品を見たのは、もう結構前で、去年の10月ごろ。実際に見てみて、確かに、白石監督作品の中では見たことがない、“人間”がぐっと描かれた作品になっているなと感じました。

 

ー特に印象に残っているシーンはありますか?

最近監督と話していて、意見が一致したシーンがあるんですけど、“缶ビールを飲むシーン”です。ビールを飲むシーンはいくつかあるんですけど、そのなかでも、一人で外でビールをあけて飲むシーンは、役の中ではあるのですが、僕の人生の中でも一番美味しくないビールで。思い出すととても辛いのですが、印象に残るシーンでしたね。

 

ー香取さんにとって〈凪待ち〉とはどんな作品でしょうか?

そうだなあ。まず、白石監督と出会えたっていうことが、僕の財産というか幸せな時間になりましたし、ほんとにたくさんの人達に見てもらいたい作品になりました。最初は気負い過ぎていた部分があって。1年半前に新しい道を歩みはじめて、『クソ野郎と美しき世界』という稲垣と草彅と出させていただいた映画もあるんですけど、あれはどこかみんなで「よし!やってやろうぜ!」という気持ちが大きかった映画だったんで、そう思うと、それ以降初めて一人でやる映画として、ちょっと緊張している部分がありました。でもそれも白石監督のおかげで、撮影が進むにつれてだんだんほぐれていって。今までそんなふうに映画をやってこなかったのに、“これは自分の”って思い過ぎてた部分があったんだなって。今では、この“白石監督の”作品であるステキな映画に参加することができてよかったって思うことができて、よかったです。

 

ー最後に名古屋のみなさんに向けて一言お願いします。

やっと皆さんにこうやって見てもらうときが来たんだと、ほんとうに感動しています。これからじっくり〈凪待ち〉の世界に入っていただき、感じたことをSNSはもちろんですけど、近くの方とか、お仕事、家族の方を誘っていただいて、一人でも多くの方に見てもらえたらうれしいなと思います。この完成披露を名古屋から始めることができてほんとに幸せです。ありがとうございました。

 

 

心がぐっと熱くなる、

愚か者たちの衝撃のヒューマンサスペンス。

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ぜひ劇場でご覧ください。

 

 

◆STORY◆

毎日をふらふらと無為に過ごしていた木野本郁男(香取慎吾)は、恋人・亜弓と亜弓の娘・美波と彼女の故郷・石巻で再出発しようとする。ある夜、亜弓から激しく罵られた郁男は、亜弓を車から下ろしてしまう。そのあと亜弓は何者かに殺害された。次々と襲い掛かる絶望的な状況から、郁男は次第に自暴自棄となっていく――。

 

映画「凪待ち」

監督:白石和彌

キャスト:香取慎吾、恒松祐里、西田尚美、リリー・フランキーほか

【PG-12】

 

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