竜星涼「信州ロケ先の地元民と飲み友に」映画『リスタートはただいまのあとで』インタビュー

 

こうゆう可愛らしい姿を見せることもできるんだよ。

―竜星涼

 

2020年の竜星涼はすごい。史上最も服を着ていない主人公という体当たり演技の『ぐらんぶる』、無口で男らしいリーダーを演じた『弱虫ペダル』に続き、9月4日には『リスタートはただいまのあとで』が公開。立て続けに主演作品から話題作への出演が続き、今ノリに乗っている注目の若手俳優だ。

 

最新作の『リスタートはただいまのあとで』は、同タイトルのコミックが原作。古川雄輝との初共演・ダブル主演で、長野県千曲市・上田市オールロケの美しい景色の中で描かれる、癒し系”純愛BL”。新しいジャンルへの挑戦に抵抗は…?

 

「BL作品が日本で少しずつ増えている中で、同性同士の恋に対する葛藤みたいなものをフューチャーする作品が多いと思うんですけど、この作品はそれ以前の根本的な部分、人を好きになるってどうゆうことなのかとか、どちらかというと人間物語・成長ドラマに重きを置かれている作品でした。率直に、挑戦し甲斐がある作品だなと思いました。」

 

竜星さんが演じる”熊井大和”は、田舎暮らしの明るい青年。ふさぎ込んでいる古川さん演じる光臣を励まし、心の痛みに優しく寄り添います。竜星さん曰く、自分史上一番可愛らしい姿を見せれたとか、、!

 

「今までは男らしいイメージの役が多かったので、監督からは今回はそうじゃない、可愛らしい姿を見たかったというリクエストがありました。僕自身もそれはいい収穫だったなと思います。こうゆう可愛らしい姿を見せることもできるんだよ。そうゆう部分もあるんだよって(笑)。」

 

劇中に幾度となく登場する、愛くるしい大和の笑顔に胸を掴まれ癒される方も多いはず。そんな一方、大和自身も養子という過去に傷を抱える難しい役どころ。それを乗り越えていく姿も見どころの一つです。

 

「とくに“東京に行ってくるんだけど”とおじいちゃんに話を切り出すシーンは、大和が自分の壁と向き合って、新しく一歩を踏み出すターニングポイントとなる場面。螢さん(螢雪次郎)が、なんとも言えない暖かみのあるお芝居をされるので、僕自身ぐっとくるシーンでしたし、思っていた以上にとてもいいシーンになったなと思います。」

 

役を作る上での難しさはー?

 

「大和は過去にいろんなものを抱えている人間だったので、彼の生き様や過去を想像していく作業は難しかったですね。ただ、田舎育ちという点に関しては、両親が山形県出身で、おじいちゃんおばあちゃんは農家だったので、想像しやすい部分があって。子供の頃はこの映像よりももっと田舎の場所へ、夏休みや冬休みに遊びに行っていました。」

 

竜星さんの持ち前の明るさはそんな子供時代があったからこそなのか。信州ロケ地でも、地元民と飲み歩く日々を送るほど親睦を深め合ったというから驚き。

 

「撮影の最後の方には、歩けば知り合いに出会うくらいの関係になっていました。飲み歩いたのも、僕にとっては役作りで、田舎育ちの役をやるからには、地元の人たちを知るというのは大事だと思いますし。って、とってつけたような感じで言いますけど(笑)。」

 

そんな地元の方たちと仲良くなったきっかけは、なんと“矢沢永吉”さんだという。

 

「撮影協力で使わせていただいた焼鳥屋さんに矢沢永吉さんのポスターが貼ってあって、僕も大好きなので、好きなんですか?と声をかけたことが始まり。大将が“なら他にも好きなやつ呼ぶから集まろうよ”“同級生がやってるスナックで歌おうよ”、って言ってくれて。そしてまたそこにいたお客さんたちと仲良くなって、みたいな。撮影が終わった時には、東京へ帰らなきゃいけなくて少し寂しかったですね。家族のように暖かく受け入れてくれて、いろんなものも食べさせてくれました。スタッフを介さずに一人で行って、おじさんたちと飲み友になれる、それができる町の雰囲気というのはとても素敵だなと思います。」

 

映画やドラマはもちろん、パリコレモデル、ディズニーアニメーション映画の声優と多岐にわたり目覚ましい活躍を魅せる竜星さん。コロナの自粛期間ではいい意味で自分を見つめなおすことができたそう。

 

「これまで前に進むことしかしてこなかったですけど、初めてストップするという期間を体験しました。ちょうど三谷(幸喜)さんの舞台『大地』が控えている時で、その作品が“俳優論”を描く内容だったので、自分にとって俳優とは何か、自分は俳優という職業に向いているのか、というのをずっと考えながら過ごしていました。劇団☆新感線の舞台『修羅天魔~髑髏城の七人 Season極』(’18)をやった時に、お芝居をするということについて自信がついたこともあり、本気で歴史ある俳優という職業を引き継いでやっていこう、という気持ちになりましたね。」

 

大和さながらの明るくてフレンドリーな一面から、役者に対する熱い一面まで、取材中様々な顔を見せてくれた竜星さん。最後は映画について一言いただきました。

 

「ロケーションがとても良くて、出来上がった作品を見て、いい意味で映画らしい映画だなと、映画館で見るべき映画だなと思いました。こうゆう世の中でなかなか遠出もできない状況ですが、映画館でこの映画を観ている空間だけは、ゆったりと田舎町に旅行したような気分で2人の物語を楽しんでもらえたらと思います。」

 

竜星涼 プロフィール

1993年3月24日生まれ。東京都出身。『獣電戦隊キョウリュウジャー』(EX系)で初主演に抜擢。『Yohji Yamamoto HOMME2016-2017AW Paris Collection』にてパリ・コレクションデビュー。ディズニーアニメーション映画『トイ・ストーリー4』でフォーキーの声を担当。『ひよっこ』『同期のサクラ』『テセウスの船』『ぐらんぶる』や、三谷幸喜作・演出の舞台『大地』への出演など、俳優・モデル・声優など多岐にわたり活躍している。

 

ROADSHOW

『リスタートはただいまのあとで』全国公開中!

会社を辞めて10年ぶりに田舎に戻った光臣(古川雄輝)は、近所で農園を営んでいる熊井のじいちゃんの養子・大和(竜星 涼)と出会う。ふさぎこんでいる光臣を励まし、心の痛みに寄り添う優しい大和。次第に、自分の弱さも受け入れてくれる大切な存在に変わっていく…。

 

【監督】

井上竜太

【脚本】

佐藤久美子

【出演】

古川雄輝 竜星涼

村上絵梨 佐野岳

中島ひろ子 螢雪次郎 甲本雅裕

【公式HP】

https://restart-movie.com/

【Twitter】

@restart_movie

【Instagram】

@restart_movie

 

 

 

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