2022.12.01
『輪島塗』は、石川県輪島エリアで生産されている伝統漆器。堅牢な塗りと優美な加飾が特徴的な、日本を代表する漆器です。
この記事では、『輪島塗』の魅力や特徴をまとめ、実際にこだわりの『輪島塗』が購入できるスポットをご紹介。職人の腕により施された漆器を見て、作って、買って、さまざまな視点から魅力を感じてみてくださいね。
『輪島塗』は、国の重要無形文化財にも指定されている日本を代表する漆器であり、漆芸の頂点と言うべき品質を代々引き継いでいる伝統工芸品。
輪島特産の地の粉(珪藻土の一種)を下地に塗り上げるまでに20工程以上、総工程は75〜124回ともいわれ、地道な作業を通して完成されます。古くから10分野に分けられた完全分業制を取っていて、完成まで多くの職人技を経ているのが特徴的。木地作りから塗り、研ぎ、沈金と蒔絵まで、それぞれの分野で代々引き継がれてきた職人が担当しているそう。
徹底した専門分業化によって、それぞれの過程の精度を高めながら作られるからこそ、その技術と品質の高さが守られているとも言われています。
それぞれの職人が次の工程の職人へ敬意を込めて作業を引き継ぐことを大切に、妥協することなく最高を求めることで、その結果、国の重要無形文化財にも指定されている『輪島塗』が作られます。
『輪島塗』は、いいものを長く使う、という考えの元、アフターサービスも充実。塗り直したり、補修したりと修理していつまでも大切に使えるのが特徴的です。高品質で伝統的な漆器をいつの時代までも大切に使い続ける、そんな流れに、先代関わってきた職人の『輪島塗』への愛や情熱が伝わってきます。
『輪島塗』は、堅牢な塗りや優美な加飾が何よりの魅力。一生ものを選ぶときに選択肢のひとつとして取り入れたい漆器です。そんな『輪島塗』のこだわりをより深く体感したい場合は、実際に石川県・輪島の街を訪れてみるのがおすすめ!それぞれの職人の家には工房が設けられていて、漆器づくりが見学できる場所も。
暮らしの中に漆器作りが溶けこみ、まるで街全体が漆器作りの工房のような街・輪島。自分だけのお気に入りと出会えるスポットを紹介します。
「輪島塗会館」は、輪島の人気スポット朝市からもほど近い場所にあるショップ兼資料館。2階は国の有形民俗文化財に指定されている貴重な作品など約4,000点を保有・展示する日本唯一の『輪島塗』の資料館です。
まずは、こちらの資料館で『輪島塗』の特徴や歴史をしっかりと学ぶのがおすすめ。どのように作られるのか、どのような伝統が引き継がれているのか楽しみながら学ぶことができます。
1階は市内約60の漆器専門店が共同出店したショップに。皿や箸など、確かな品質の輪島塗が種類豊富にそろっています。その数、市内最大級の規模を誇る1,500点以上!普段使いのものから最高級の逸品まで、文字通り充実の品揃えが魅力です。
輪島塗会館
「輪島工房長屋」は、複数の工房が集結した交流施設。『輪島塗』の販売はもちろん、職人の作業を見学したり、体験を楽しめたりと、多彩な過ごし方ができる場所です。
とくに、針ノミで模様を彫り、溝に漆と金を埋める、他ではできない貴重な沈金の加飾体験はおすすめ!普段はできない体験を通して、『輪島塗』のことをより深く知って見るのはいかが?
輪島工房長屋
「漆アミューズメント塗太郎」は、『輪島塗』のギャラリーや漆蔵喫茶など、様々な空間で構成されている施設。うるし塗の店内は、重厚感があり心が落ち着く空間です。
人気の体験は、初めてでも気軽にできる蒔絵や沈金による絵付体験。世界でひとつしかない思い出作りもできるので、輪島観光のお土産にもぴったりです。
漆アミューズメント塗太郎
「大崎漆器店」は、江戸末期に創業し、木地に、漆に、徹底的こだわった『輪島塗』を作り続ける伝統的なお店。前部が拭き漆ギャラリーのある住まいで、奥が仕事場という塗師屋特有の「住前職後」。昔ながらの『輪島塗』づくりの工程を垣間見ることができます。
創業以来、本物にこだわり続ける「大崎漆器店」。じっくりと『輪島塗』の奥深い魅力に酔いしれてみては?
大崎漆器店
輪島の街には、『輪島塗』以外にも、新鮮な海の幸と四季折々のご当地グルメ、大自然の絶景、風情豊かな町並み、朝市の賑わいなど魅力が満載!『輪島塗』の工程を見学したり、実際に体験をしたりして、『輪島塗』の魅力を深めることはもちろん、輪島の街を巡ることで、伝統を育んできた街の空気を感じることができます。
ぜひ暮らしの中に伝統が溶けこむ、輪島の街めぐりを楽しんでみては?
2022.12.01