2023.03.16
“SDGs”、“カーボンニュートラル”という言葉を耳にする機会がますます多くなってきていますが、自分自身が具体的に何を取り組めば良いのか?分からない人も多いかと思います。
“セロカーボンシティ”を表明した西尾市で、積極的にSDGs推進を進める企業の取り組みを紹介します。是非、SDGsを考えるキッカケにしてみてください。
デザインはもちろん、染色や縫製、接客までをデザイナーが担当するドレスのアトリエ
東京で自身のファッションブランドを立ち上げ、オーダーメイドのウエディングドレスの製作などを手掛ける『Rosey Aphrodina(ロジィアプロディーナ)』デザイナーの久保田さん。アンティークのレースや紅茶染めの生地などこだわった素材を使用し、アンティークドレスのような雰囲気を持ちながらも、日本人女性に似合うドレスを西尾市のアトリエで製作しています。
ファッションだけに限らず、様々な物が低価格で生産され、すぐに消費されている現状に憤りを感じ、生産する立場としてより責任を持って活動したいという思いから、物を愛しながら長く使用することを伝えていきたいと考えるようになりました。
ウエディングドレス製作で使用した生地の端切れで子供服を作り、さらに余った生地を利用して付け襟やクルミボタン、ヘアゴムにも使用するなど、可能な限り生地を捨てずに商品の製作を行っています。また、廃材を使用した馬車型の移動式陳列棚で、「馬車の手芸店」としてマルシェなどイベントにも出店。デザイナーとして培った長年の知識と経験を生かし、古くて捨てられてしまう物に改めて焦点を当てることで、新しい価値を見出し一点物のアクセサリーや厳選した手芸材料などを販売しています。
「結婚式のドレスからはじまり、お子さんの七五三や成人式、そして結婚式。親子二世代にわたりドレスを通してハレの日に関わりたい」という目標もあり、物の循環や人の循環を通して、大事なドレスを形を変えることで、1回限りではなく長く愛せるということを伝えています。
【取材先企業】
Rosey Aphrodina Wedding
西尾市花ノ木町5-20 ロイヤル花ノ木1階
0563-33-9287
https://roseyaphrodina-wedding.com
オーダードレスや子供服の製作を行いながら、ドレスレンタルや撮影プロデュースも展開。気取らず、自然体でいられるナチュラルさの中に、特別な日を彩るに相応しい唯一無二の華やかさを兼ね備えたスタイルを提案してくれます。
自社で実践した経験をもとに、企業のSDGsの取り組みをサポート
SDGsという言葉は耳にしますが、何から取り組んで良いか分からないという会社はまだまだ多いと思います。”「今」と明るい「未来」をデザインする“をテーマに掲げ、リスクマネジメントを中心としたコンサルティングサービスを通じて企業のSDGs、脱炭素、ウェルビーイング、健康経営、BCP施策などの取り組みを支援しているトータルデザインオフィス『株式会社と・ら・す・と』。三河エリアの企業に向けて新たに起こり得るリスクを可視化し、それに対応する商品やサービスを提供しながら経済活動を支えつつ、SDGsに取り組む企業をサポートしています。
自社でもできることから積極的にSDGsを取り入れつつ、取り組み企業を増やすことに力を入れています。保険代理店業も含まれる金融業界では、取り入れるのが難しいと言われているテレワークに関しても、コンプライアンスを徹底しながら、在宅での営業職と事務所出勤の事務職という2人でチームを組み業務を行うことで、効率化を図り浮いた時間を余暇や家事などに使うことで、生活の質が高まり働きがいの向上にも繋がっています。また、少しでもエアコンの使用を抑制することで気候変動や健康にも配慮できるよう、スーツ着用義務を廃止し、夏はポロシャツやTシャツにジャケット、冬はハイネックやニット等、清潔感を保った上での自由な服装での勤務を推奨しています。
保険という無形の商品を提供しているということもあり、様々なモノやコトを減らすことや無くすことにも貢献できるのではないか?と自社で実践した経験を踏まえ、17の目標の中からスタートのきっかけや具体的な提案を行い、SDGsに取り組む企業を増やしています。
【取材先企業】
株式会社と・ら・す・と
西尾市丁田町流85-1
0563-57-5507
地域密着型の保険代理店として保険相談員の垣根を越え、企業のSDGsの取り組みや災害への対応力強化を支援し、新しいリスクに対応する商品やサービスを提供。不安を払拭するためのリスクマネジメントではなく、壁や障害を乗り越え目標を叶えるための後押しとして、前に進むための提案を行っています。
健康経営優良法人を目指すことで社員の健康に対する意識を向上
自動車のエンジンやハイブリッドシステムの金属部品の切削加工を行っている『株式会社セイコー』は、1/1000mmという非常に精度の高い加工技術と納期遵守が大きな強みです。
製造業ということもあり、社員に高いパフォーマンスで働いてもらうためには健康な体を維持してもらいたい、また健康経営優良法人を目指す中で、健康の軸は食べ物だと考え、まずは栄養バランスの取れた仕出し弁当を用意することから始めました。さらに、弁当を持参している社員にも、弁当にさらに何か一品をプラスできないか?と探している中で、金融機関の紹介で「0FFICE DE YASAI(オフィスで野菜)」を知り導入。オフィスに冷蔵庫と冷凍庫を設置するだけで、いつでも健康的な食事ができる食の福利厚生サービスで、週に1回サラダやフルーツ、種類豊富なお惣菜などが届き、昼食はもちろん、仕事中の間食、残業や夜勤など、働き方に合わせていつでも利用することができます。弁当も含め、費用の半分を会社側が負担しており、導入後には社員の健康に対する意識が向上し、食生活を見直すきっかけとなったのはもちろん、主婦の方からは家庭での晩御飯の一品として利用し喜んでいるという声もありました。
また、長く定着して健康に働いてもらいたいという観点からも、食生活や睡眠、仕事上の悩みなど、健康アンケートを定期的に実施し、社員とのコミュニケーションも大切にしているそうです。
【取材先企業】
株式会社セイコー
西尾市吉良町富好新田役地16
0563-34-9876
1950年創業、ものづくりの工場として主に自動車部品をはじめとする金属の精密加工を得意としている。“ものづくりやサービスを通じて、お客様や社会、社員とその家族を幸せにする”という経営理念を掲げ、現在は西尾市内に3か所工場を展開。金属切削加工で求められる最高の技術力でイノベーションを起こしています。
SDGsは高いハードルではなく、“今、できることからはじめてみる”という意識が大切です。
昨今、フリマアプリの普及もあり、古着への注目度が高まっています。古着の良さといえば、流行に左右されない個性的な服に出会えたり、良質な商品を安く購入もできること。たくさんの古着の中から自分に合う1着を見つけるのは、どこか宝探しに近いワクワク感があります。
そんな古着を楽しむこと自体が、環境へ配慮する行動になっているということ、実はあまり知られていません。『7R(セブンアール)』という言葉をご存知でしょうか。『3R(スリーアール)』という言葉なら知っている、という人も多いかもしれません。 “削減”を意味する「リデュース(Reduce)」、“再利用”の「リユース(Reuse)」や“再生利用”の「リサイクル(Recycle)」の『3R』に、さらに4つの「R」を加えたものが『7R』です。4つの「R」とは“転用”を意味する「リパーパス(Repurpose)」、家庭での洗濯などの知識を高める「リサーチ(Research)」、修理により寿命を延ばす「リペア(Repair)」、サブスクサービスも登場している、 服等を“貸す”「レント(Rent)」です。古着を楽しむことは、この『7R』を実践することにもなるのです。
ファッション業界は環境にやさしくない産業だと言われていますが、古着を楽しむ人が増えれば、そんなファッション業界への認識も少しずつ変わっていくかもしれません。
西尾市内の様々な企業でモノ・コト・ヒトを通して環境に優しいサステイナブルな取り組みが増えてきています。
榊原精器 株式会社
洗濯急便 有限会社 はやしランドリー
有限会社 赤堀製茶場
さくらや。Café
光工業 株式会社
Rosey Aphrodina Wedding
株式会社と・ら・す・と
株式会社セイコー
皆さんも西尾市の企業の事例を参考に、“今できること”から、SDGsをはじめてみましょう。
2023.03.16