2022.11.28
“SDGs”、“カーボンニュートラル”という言葉を耳にする機会がますます多くなってきていますが、自分自身が具体的に何を取り組めば良いのか?分からない人も多いかと思います。
“セロカーボンシティ”を表明した西尾市で、積極的にSDGs推進を進める企業の取り組みを紹介します。是非、SDGsを考えるキッカケにしてみてください。
農薬は使わない。老舗のお茶生産者の新たな挑戦
スーパーなどでも日常的に見かけるようになった“オーガニック”や“有機栽培”の野菜。少し値段が高くても、食への安心・安全を優先したいという消費者が多くなっていることがうかがえます。
一方、生産者側からの目線だと、農薬を使用しないということは、作物が虫などによって病気になってしまったり、雑草を取り除くことに大きな手間がかかるなど、非常に苦労が多くなります。そんな中、平地では難しいとされている農薬不使用の有機農法でお茶の栽培を行っているのが、創業150年、茶葉の栽培、製造加工、販売までを一貫して取り組む『赤堀製茶場』です。
五代目の赤堀正光さんは、「消費者への安心・安全はもちろんですが、生産者としても農薬を浴びることで体調が悪くなったこともあり、無農薬にチャレンジ。7年ぐらい前に除草剤の使用を止めたことで、抵抗力も高くなり、風邪などもひかなくなった」と語ります。手作業で雑草を刈り取るという大変な作業ですが、その雑草を茶畑に撒くことで肥料にもなり、土壌の保湿にもなるとのことです。
健康はもちろん、環境のことを意識した無農薬栽培は、私たちが想像している以上に難しい現実があります。できるだけ農薬を使わない、地球に優しい栽培方法がもっと当たり前になるよう、購入時に意識することが、“私たち消費者が環境のためにできること”だと思います。
【取材先企業】
有限会社 赤堀製茶場
西尾市上町善兵衛屋敷60
0563-54-3727
お茶の生産・加工・販売のほか、テイクアウトを中心とした「茶農園カフェ赤堀製茶」を経営。毎週土日にはキッチンカーでイベントにも出店しています。地域学習の一環として、地元の保育園や小学校の子どもたちを受け入れ、お茶の葉が抹茶になるまでの製造工程を見てもらう工場見学も行っています。
多様性を認め合い、支え合う場所作りを目指す
SDGsの“誰一人取り残さない”という観点からも、多くの企業で障がい者雇用が進められています。カラダとココロにおいしいごはん、笑顔になれるおやつを提供する『さくらや。café』に併設された「チャレンジングファクトリー」では、障がい者や病気・怪我のある人、シングルマザーや介護が必要な家族を持っているなど、様々な事情で働き方に制限を持っている人と一緒に、生チョコなどを製造しています。
「さくらとショコラ」と命名された生チョコは、様々な背景にもこだわり抜いた逸品です。チョコレートはフェアトレードのものを選んでいます。抹茶味には、西尾市のブランド「西尾の抹茶」の中から2種類のものを、まめ味噌味には、江戸時代から続く西尾の醸造元「はと屋」の豆味噌を使用しています。
“社会と障がい者が共生できていない現状を変えたい”というオーナーの想いで少しずつ形を変えながら進化していったこのチョコレートプロジェクト。併設するカフェでの販売はもちろん、製造の様子をお客さんにも見てもらうことで、押し付けではなく自然と関心を持ってもらうことを意識しているそうです。「凸凹マーケット」というイベントも主催するなど、”支援ではなく応援して自立“を目指し、様々な取り組みを続ける『さくらや。café』の温かさに触れてみてはいかがでしょうか?
【取材先企業】
さくらや。Café
西尾市宮町61
080-2639-5657
パンやおむすびのほか、野菜をたっぷり使った週替わりメニューのさくらや。カフェごはんなど、見た目も美味しいカフェごはんを提供。大磯屋製麺所の麺を使用した鉄板ナポリタンも人気です。併設する「チャレンジングファクトリー」で生チョコの製造も行っています。
すべての従業員が平等に活躍できる場所を目指す
SDGsの目標のひとつである“ジェンダー平等の実現”。近年では、この目標の達成につながる取り組みを積極的に行う企業が増えています。女性の社長や役員なども多数登場し、女性ならではの目線による発言や発信には共感を呼ぶ場面も多く見られます。
1956年に繊維機械部の切削加工を主体として創業した『光工業株式会社』もそんな企業のひとつで、年齢や性別、国籍等に関わらず、多様な人材が生き生きと働き、平等に活躍できる環境づくりを目指しています。小さな町工場からスタートした当時は、人手が集まらず、子どもを持つ女性も積極的に採用してきたそうです。そんな経緯から、可能な限り一人ひとりに寄り添った、働きやすい環境を整える社風が根付きました。
例えば、育児に係る時短措置等の充実や性別に因らず活躍できる制度など、職場環境の整備や専門資格取得の推進を行っています。このように、スキルを高めたり、もっと上の役職を目指したいと思える制度や環境を整えることで、自然に女性の働く意欲が高まり、女性の管理職も多くなったそうです。このようなケースは、今回の取材先である光工業株式会社に限ったことではないはずです。商品開発や販売戦略はもちろん、社内の業務フローの改善においても、男性社員を中心とするのではなく、女性社員を加えることで、様々な視点が集まり、事業の可能性も広がります。性別だけでなく、国籍や文化を越えて活躍できる場所があれば、今後の労働力不足が懸念される日本でも、優秀な人材を確保できるチャンスとなり、企業が成長する後押しとなるでしょう。
【取材先企業】
光工業 株式会社
西尾市上矢田町清水50
0563-65-5211(代表)
鉄、ステンレス、アルミ、チタン、マグネシウムなど異種の金属を接合しながら母材同様以上の接合強度が得られる摩擦圧接加工を軸に、切削・研削加工、摩擦接合、ワイヤーハーネス加工など様々なサービスを展開し、金属部品製造のエキスパートを目指し歩み続けています。
SDGsは高いハードルではなく、“今、できることからはじめてみる”という意識が大切です。
“地元で生産されたものを地元で消費する”という「地産地消」。新鮮で栄養価の高い旬の味覚を味わうことができる取り組みです。また、ガソリン代など輸送にかかる費用も少なくて済むため、良い品がリーズナブルに手に入るなど、消費者にとって良いことばかり。
広い目で見ると、地域経済が活性化することで生産者の意欲が高まります。そのほか、地域の食文化をより豊かにしたり、食料自給率を向上させることにもつながります。
地産地消の取り組みは、環境に優しいだけでなく、生産者と消費者がお互いに良い影響を与えあう関係を作りだし、持続可能な地域社会を構築するための一歩になります。
つまり、愛知県産や西尾市産のものを意識して選ぶことが、SDGsにも貢献できるというわけですが、実は愛知県は全国一の工業県であると同時に、全国有数の農業県でもあります。「キャベツ」、「しそ」、「ふき」、「とうがん」、「いちじく」、「ぎんなん」、「うずら卵」などの生産量は全国1位※出典:愛知県 農業水産局(データは2017年)。さらに、魚介類の宝庫である伊勢湾や三河湾の恵みを受け、漁獲量日本一の「あさり」をはじめ、「くるまえび」、「しらす」といった海の食材も全国トップクラスです。
地元愛知県の新鮮な食材をお得に手に入れて、冬の味覚を堪能しながらSDGsに貢献することができます。一石二鳥な地産地消、まずは気軽に取り組んでみるのはいかがでしょうか?
SDGs を推進する事業者を支援するため、 事業活動におけるSDGs の推進に要した経費の一部を補助します。パソコン・タブレット・エアコン・LED 電球など幅広い経費が対象となります。
①申請受付期間 令和4年7月1日(金)~令和4年12月28日(水)
※申請は1 事業者につき1 回のみ。 ※予算がなくなり次第受付を終了します。
②補助対象者 ※次の要件を満たす事業者
③補助額:上限10万円 補助率:1/2 以内 ※市内業者から購入した場合は3/4 以内
④補助対象事業者
登録・宣言した取り組みを推進する事業。令和4年4月1日以降に購入・契約したもので申請日までに実施・支払いが完了しているものが対象です。
【補助対象事業の例①】
「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」
蛍光灯をLED電球に更新する
【補助対象事業の例②】
「緑の豊かさを守ろう」
ペーパーレス化を図るためタブレットを導入
⑤手続きの流れ
愛知県SDGs登録制度に登録または市にSDGsの取り組みを宣言
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SDGsの取組・活動を実施
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申請書兼請求書を提出 ※取り組み実施後の申請となります。
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審査・交付決定 ※申請内容を審査し、交付を決定します。
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振込 ※交付決定から約1か月後に振込します。
【問い合わせ先】
西尾市 SDGs 推進事業者 応援補助金事務局( 西尾市役所水道庁舎3 階)
TEL.0563-65-2465(受付時間 9:00~17:00)
詳しくは西尾市ホームページをチェック
2022.11.28