Mireiはあの日、
この言葉に救われた!
-第4話-
「私が〇〇だったらこういう行動を取るのに」「私ならこんなこと言わないのに」。
相手のことを考える、というのは難しいことだ。
目の前にいる人はひとりの人間で、自分とは違う価値観を持っていて、大切なものや譲れないものがちゃんとあって。
当たり前のことのはずなのに、距離が近くなると、まるで自分と同じように動く存在だと錯覚してしまう。
コントロールできるような気がしてしまう。
思い通りにならないと、勝手に傷ついて、勝手に不満を抱いてしまう。
最近、朝ゲキという朗読劇に出演させていただいた。
もともと私はお芝居が好きだ。観るのも演じるのも好き。
役者が、舞台が、音楽が、作品を形づくるものが 好き。知らなかった感情を心で体感できるのが好き。新しい出会いがたくさんあるのが好き。
自分と違う誰かの解像度が上がって、それと同時に自分のことも詳しくなれるような感覚が好き。
「もっと上手くなりたい」「もっとお芝居がしたい」「もっと知らない自分に出会いたい」
前からそう思っていたけど、今回の出演で、それだけじゃないことを改めて感じた。
私が演じた「記憶観覧車」という家族についての作品の母親、知佳。
こう書くとびっくりされるかもしれないけど、実家にいたときかなりの反抗期娘だった私は、母のことを理解できないことの方が多かった。
でも稽古をしているうちに、台詞を声に出すうちに、知佳という役の輪郭が見えていった。そして自分の母親のことも。
その時ふと思い出したのは私の大好きな演劇漫画『ダブル』の言葉だった。
私物
「相手を思え 相手になるな」
____ダブル第4巻、21ページ。
演出家 岐 華江が舞台稽古中に言った言葉。
「相手そのものになっちゃうと逆に見えないみたいな……」という九十九の台詞も印象に残っている。
相手を“思う”ことと、“相手になる”ことは違う。
同じ存在になろうとしても、同じ背景、同じ環境は存在しない。
近くなりすぎたり「自分だったら、」を考えすぎるとむしろ相手の全体が見えなくなってしまう。
“思う”ためには、自分をちゃんと保ったまま、相手の立場や気持ちを想像し続けることが必要なんだと思う。
演じることって、まさにそれだ。
自分とは違う誰かを紐といて、考えて考えて、他の誰かに伝える行為。
この言葉を知って、そしてお芝居を通して、人を思うことの意味を、少しだけ深く知れた気がする。
それはきっと、日常でも活きる感覚なんだと思う。
\次回は7月27日(日)21時アップ/
隔週の日曜21時更新です、お楽しみに!
みれい Mirei
・2000年8月20日生まれ
・福岡出身/名古屋在住のAB型
6人組ガールズグループ「SAKURA GRADUATION」のリーダー。
頼れるアート系女子で少年漫画と美容、ファッションやカメラ、デザインなどが趣味。
特に本、文章、活字が大好き、書くことも大好き!
学生時代には作文で賞を獲ったり学校代表に選ばれたり、公募の詩集雑誌での掲載経験なども。
好きな作家は太宰治、西加奈子、最果タヒなど。現在はnoteで文章を書いて発信。
また情報発信も大好きで、インスタのストーリーで美容や本の感想なども。
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●WHAT’S SAKURA GRADUATION?
それは「アイドルをやめる」決意から生まれた、覚悟の6人。
2023年。前代未聞のオーディション「私、今日でアイドルやめます」から誕生した、6人組ダンスボーカルガールズグループ。
“選ばれる” のではなく、“自ら残る” ことを選んだ彼女たちは、自分の言葉で、未来を切り開くことを決意した。
グループ名には、ふたつの想いが込められている。
ひとつは、SAKURA= 桜。
日本を象徴する、美しくも儚い花。咲き誇り、そして散ってゆくその短い命が、 見る者の心を打つように──私たちもまた、限られた時間の中で全力で咲き、世界にその美しさを刻む。
もうひとつは、GRADUATION=卒業という決意。
あらかじめ “終わり” が決まっているからこそ、今を全力で駆け抜ける。 3年間という限られた活動期間の中で、ひとりひとりが成長し、輝き、そして旅立っていく。
2024年にはデビューシングル「シゲキテキ VIVID!!」で鮮烈なデビュー。
2ndシングル「CANDY TOWER」ではオリコンデイリーランキング4位を記録。
ライブパフォーマンス、楽曲、そしてファンとの近い距離感──そのすべてが、“今” という時代に新しい風を吹き込んでいる。
アニメ、コスプレ、J-POP、そしてアイドル文化──日本が世界に誇るポップカルチャーの旗を掲げ、世界へ挑む。
この一瞬にすべてを懸けて、今日もステージに立つ。
その一歩一歩が、世界中に日本のカルチャーの魅力を届けていく── 覚悟を持ったアイドル。
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