映画『箱入り息子の恋』の市井昌秀監督が12年間あたためてきた“両親への想い”をヒントに創作したオリジナル脚本作品、映画『台風家族』が絶賛公開中!
世界一“クズ”な一家だけどなぜか憎めない、そんな愛すべき鈴木家の“台風”のような1日を描いた今作。主人公の鈴木家長男・鈴木小鉄役の草彅 剛さんにインタビューしました!
―地元を離れた兄弟が財産分与を目的に帰省し、再会した際に巻き起こる“珍”騒動を描いた今作。草彅さん演じる鈴木家の長男・小鉄の“クズ”っぷりも印象的でした(笑)
僕自身も長男で、脚本を読んだ時、「小鉄ってクズだなぁ」って思ったけど、共感できる部分もありました(笑)小鉄の面白いなと思った部分は、兄弟からどれだけ批判を受けても、ブレないところ。通帳をパンツに入れるシーンもあったりして、演じていて笑いそうになりました(笑)それでいて、自分の策略が上手くいかない時は逆ギレしちゃうし…。どんな状況でも絶対にブレない小鉄を演じることが、どんどん面白くなっていきましたし、逆に“カッコいいな”と思うほどになりました。
―小鉄のどんな部分に共感したのですか?
財産分与となったとき、小鉄のような「1円でも多くもらいたい!」という思いは誰にでもあると思うんだよね。小鉄は、そういう誰もが抱く当たり前の感情を誇張しているだけ。お金はあった方がいいと思うし、そういう場面になったら、僕もちょっと多めにもらえるといいなぁと思うと思います(笑)
―小鉄が“クズダンス”を踊るシーンもありました。
あのダンスは僕が考えました。撮影が始まる前から監督にダンスについて“打ち合わせしよう”って言われていたんですけど、面倒だったので“大丈夫です。家で考えてきます”ってずっとウソをついていて…。全然何も考えていないまま、本番の日を迎えてしまったんです(笑)それで、追い詰められて出てきたのがあのダンス。個人的には一番焦っているシーンです(笑)もう勢いですね、湧き出てくるものを踊ろうと!“俺のなかの振り付け師が出てくるぜ!”という感じでした。
―鈴木家の長男であり、娘を持つ父親でもある小鉄。過去にも父親役を演じていらっしゃいますが、以前に演じた父親役と今回の父親役で何か変化はありましたか?
僕も年を重ねてきているので、子供を想う気持ちは深くなってきたのかなと思います。今回だと、娘のユズキを想う気持ちは以前より尊く感じたり、何気ないユズキの動きとか、ちょっとしたことが僕自身に刺さってくる。子供を持った経験はないけれど、そういうのが親なのかなと思いました
―劇中では様々な“家族”が描かれています。草彅さんにとって“家族”で思い浮かべるのがどなたですか?
やっぱり自分の家族ですね。僕もいい年だし、会うたびに自分の両親はすごく年をとったなと、ここ1、2年で本当に思います。劇中で、“父ちゃん、母ちゃん!”と小鉄が叫ぶシーンがあるのですが、僕の等身大の叫びでもあります。若い時にこの役はできなかったと思います。やっぱり自分の家族、近い人たちは大事だなと思います。
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◆STORY◆
鈴木一鉄と妻の光子は銀行から2000万円の大金を強奪し、行方が分からくなっていた。事件から10年経ったある日、いまだ所在の分からない両親の仮想葬儀で財産分与を行う為、鈴木家の子供達が集まる。空の棺桶を2つ並べた見せかけの葬儀が終わった頃、チャラチャラした男が訪ねてきて…。
映画『台風家族』
監督/市井昌秀
出演/草彅 剛、MEGUMIほか
TOHOシネマズ名古屋ベイシティ他にて公開中
©2019「台風家族」フィルムパートナーズ
【PG-12】