2024.03.28
名古屋・栄のラグジュアリーホテル『TIAD, オートグラフ コレクション』(以下TIAD)の5階にある創作日本料理「SHUHARI」では、2024年3月より、土日祝限定でランチの提供が始まりました。
メニューは、愛知県三河一色産の鰻を使ったボリューム満点の「鰻まぶし御膳」と、松坂牛の赤身肉を使った「牛まぶし御膳」の2種類。シェフのこだわりが詰まったその味わいを、編集部が体験してきたので、その模様をお届けします。
料理長・堀場雄仁さん
店名の「SHUHARI」は、剣道や茶道の場面でよく用いられる「守破離」という言葉が由来。師や流派の教えを身につける「守」、学んだ教えをもとに心技を発展させる「破」、そして独自の新しいものを生み出し確立させる「離」という修行段階を示しています。
「SHUHARI」は、そんな”守破離”の精神に基づき和食を中心に学んできた堀場雄仁料理長が行き着いた、創作日本料理店。料理長の感性・センスを存分に堪能でき、従来の和食にとらわれない、ここでしか味わえない料理の数々を楽しめます。
店内はカウンター9席のみの特別な空間。料理人の手さばきを間近に楽しめるのが特長です。
これまでは完全予約制のディナー営業のみ。四季折々の食材を使用した月替わりのコース1本を提供していました。一例として3月のディナーコースの内容をご紹介。料理名を見ているだけで想像力が掻き立てられます。
〈いざない〉
・白魚玉地蒸し
たっぷりの美味餡 新海苔 梅雫
・平貝炙り 殻盛り
そら豆 タラの芽 うるい 花弁百合根
土佐酢ジュレ
〈凌ぎ〉
・唐墨餅の磯部巻き
〈鍋椀〉
・地蛤しゃぶ仕立て
結び三つ葉 花弁人参 金箔 散らし木の芽
〈造り〉
・桜鯛と蕨の山掛け
叩き蕨 鶉玉/ 胡麻醤油
〈八寸〉
・相並木の芽焼 独活酢漬け
〈大鍋〉
・おでん仕立て 鱶鰭 白子
大分冬菇椎茸 蕪 春野菜
口 柚子胡椒
〈強肴〉
・和牛蕗味噌焼
二色アスパラ 焼きおにぎり添え
〈〆〉
・トリュフきしめん
桜海老から揚げ 雲丹 ちぎり大葉
〈夢のつづき〉
・蕗の薹
甘酒アイス 霰 桜餅
そんな「SHUHARI」で今回スタートした、土日祝限定のランチ。愛知県三河一色産の鰻を使ったボリューム満点のひつまぶしがメインです。
土日祝 11:30~14:30(LO13:30)
6,800円
※サービス料・消費税込み
〈先付け〉
・汲み上げ豆腐
山葵チュイル 蒲鉾削り 山葵
〈お膳〉
・半熟煎り玉子 鰻有馬煮 トリュフ
・鰻ざく
奈良漬け 海苔 小葱 山葵 山椒
〈お食事〉
鰻ひつまぶし蒸篭仕立て 肝吸い
〈水物〉
焙じ茶アフォガード
料理長こだわりのひつまぶしランチを編集部が体験してきました!
〈先付け〉汲み上げ豆腐
まず運ばれてきたのが、〈先付け〉の「汲み上げ豆腐」。上にかかる淡いピンク色のものは、なんと薄く削られた蒲鉾。食感は知っている蒲鉾と全く異なるのに、味わいは蒲鉾そのもので、はじめての感覚!
アクセントに、チュイル(薄いサクサクのフランス発祥クッキー)のように仕上げた山葵を少しずつ砕きながらいただきます。
一品目から早くも驚かされたところで、「半熟煎り玉子 鰻有馬煮 トリュフ」や「鰻ざく」「肝吸い」が乗った〈お膳〉が運ばれてきました。
半熟煎り玉子 鰻有馬煮 トリュフ
玉子と鰻の組み合わせと言えば「鰻巻き」を連想しますが、料理長の手にかかるとスクランブルエッグ仕立てに。絶妙な火入れのふわとろの玉子に、甘辛く煮た鰻、その上には贅沢にトリュフが削られます。仕上げにトリュフオイルもかけられ、とっても香り豊か!これ、忘れられないほど美味しかったです。
鰻ざく
「肝吸い」のお椀もかっこいいので注目を。京都の職人が一つひとつ手書きで絵付けされているそう。
さっぱりとした味わいの「鰻ざく」や、2時間以上低温で煮出した昆布だしに、カツオとメジマグロからとるだしを合わせ作る「肝吸い」。ここまでですでに幸福感でいっぱいです。
鰻ひつまぶし蒸篭仕立て
いよいよメインの「ひつまぶし」。料理人が魂を込めて炭火で焼き上げた香ばしい鰻の登場です。
特徴的なのがこの器で、下から蒸気が上がり続け、最後まで温かい状態でいただける仕掛けとなっています。
鰻は外はパリッと香ばしく、中はふっくら焼き上げる絶妙な火入れ加減。タレはあっさり目で、炭焼きの風味を存分に楽しめます。
お米は、幻の米と名高い岐阜県が誇るブランド米「ハツシモ」を使用。粒が大きく、甘みがあり、粘りが強くなく食感も良いことから寿司店のすし飯にもよく使用されているお米だとか。器から立ち上がる蒸気や鰻の脂にも負けず、どんどんご飯が進みます。
一膳目はそのまま、二膳目は薬味を合わせて、三膳目にはお出汁をかけて、四膳目はお好みの食べ方で。従来のひつまぶしの食べ方に習いいただきました。
薬味にもこだわられていて、特に山椒は有馬山椒を使用。辛み、風味、香りが特別で、後を引く美味しさ。私は四膳目を薬味で、山椒をたっぷりかけていただきました。
〈水物〉焙じ茶アフォガード
最後には口直しの「焙じ茶アフォガード」と「煎茶」を。茶葉をふんだんに使用した濃厚なジェラートに、さらに焙じ茶をかけていただく、味わい深いスイーツです。
さらに食事中はソムリエが、食事に合わせたドリンクの提案をしてくれます。乾杯のスパークリングワインから、もちろんノンアルコールドリンクも。今回はノンアルコール希望で、中国茶の「黄金桂」をグラスで出していただきました。
うなぎが少し苦手で、、、そんな方のために用意されているのが「牛まぶし御膳」。
野菜や果物の旨みが染み出た香味ダレを使った特製のタレで焼き上げた、松坂牛の赤身肉が贅沢に乗っています。少し味見をさせていただきましたが、こちらも絶妙な火入れ加減で、とても柔らかく美味しかったです。
土日祝 11:30~14:30(LO13:30)
6,800円
※サービス料・消費税込み
〈先付け〉
・汲み上げ豆腐
山葵チュイル 蒲鉾削り 山葵
〈お膳〉
・半熟煎り玉子 牛時雨煮 トリュフ
・甘酢漬け
奈良漬け 海苔 小葱 山葵 山椒
〈お食事〉
牛ひつまぶし蒸篭仕立て 筍吸い
〈水物〉
焙じ茶アフォガード
名古屋といえば「ひつまぶし」ですが、まったく新しい「SHUHARI」流のひつまぶしを味わうことができました。
隠れ家のような落ち着いた空間でいただく、堀場料理長手掛ける驚きの日本料理と、絶妙なペアリングを楽しむソムリエ提案のドリンクを求め、まずはランチから。ぜひ足を運んでみて。
SHUHARI
2024.03.28