『明日を綴る写真館』名古屋舞台挨拶に主演 平泉成、佐野晶哉登場!ロケ地・岡崎の思い出語る

稲垣朱乃

稲垣朱乃

2024.06.18

 

2024年6月7日(金)より全国公開、映画『明日を綴る写真館』(原作:あるた梨沙)の公開記念舞台挨拶が、先日名古屋で開催されました。

 

キャリア60年にして満を持しての初主演を飾った平泉成さんはじめ、期待の次世代俳優 佐野晶哉(Aぇ! group)さん、秋山純監督が登壇。上映観覧後のお客さんの前で、撮影の思い出などのトークを繰り広げました。

 

公開記念舞台挨拶

 

平泉成さん:

映画はどうでしたか? 温かい涙をいっぱい流していただけましたでしょうか。俳優になって60年、脇役ばかりをやってきましたが、80歳で生まれて初めて映画の主役をやらせていただきました。とても嬉しかったです。継続は力なり、という昔からの言葉がありますが、続けていれば、何か良いことがあるものですね。今回はつくづくそう思いました。

 

佐野晶哉さん:

映画でカメラマン・太一役を演じさせていただきました、佐野晶哉です。公開して間もなく、このようにたくさんの方に観ていただけてとても幸せです。成さんの初主演映画が、末永く愛していただけますようにと思っております。

 

秋山純監督:

毎日言っていますが、成さん、おめでとうございます。成さんのポリシーとして、主役はやらないと決めて60年。今回のお話をオファーさせていただき、お前が言うならやるよと言っていただき、ほんとうに嬉しかったです。それから半年。みなさんに観ていただけて感無量です。

 

平泉成さんは愛知県岡崎市の出身。今作は岡崎市での撮影もありました。

 

平泉さん:

初主演作品を地元で撮影し、また舞台挨拶まで行えるなんて、こんな日が来るなんて夢にも思いませんでしたから、ほんとうに嬉しく思います。

 

佐野さん:

ロケで何度かは来たことがありましたが、こんなにもガッツリと岡崎市に滞在したのは初めてでした。撮影が終わった後の夜中、助監督とカメラ片手に岡崎の夜景を求めて散策し、カメラの練習をしていたのですが、気づいたら目の前に岡崎城が。とてもきれいでしたね。そのほかにも、どこを切り取っても絵になる景色ばかりで、とてもいい場所だと思いました。

 

平泉さん:

私もカメラが趣味ですので、今回たくさん撮りましたよ。まったく関係ないのですが、これ昨日、佐野君が80歳の誕生日プレゼントでくれたのです。メンバーカラーって言うんだよね。ほんとうに気遣いのできる素敵な方です。

 

佐野さん:

脈略がなさすぎます(笑)。メンバーカラー、略してメンカラです。僕のメンカラ、グリーンのネクタイをプレゼントさせていただいたのですが、昨日も今日も付けていただいていて嬉しいです。

 

佐野さんからもらった緑のネクタイをアピールする平泉成さん。

 

お互いの印象について

佐野さん:

撮影の期間、ずっと成さんと一緒にいました。合間も二人でお話させていただく機会が多く、とても刺激になりました。驚いたのはストイックさ。撮影前日に使用するフィルムカメラが決まったのですが、フィルムを巻く部分が少しサビていたのか固くなっていて、「ちょっと部屋に持って帰ってもいいか」って成さんが。その時夜12時を過ぎていたのですが、次の日朝6時ごろ集合した時には、いつの間にかプロの手つきでそのフィルムカメラを使いこなしていて。とても衝撃的でした。

 

平泉さん:

私はプロカメラマンの役でしたから、フィルムカメラを使いこなす様をしっかり見せたくて、必死に練習をしたんですよ。

 

秋山監督:

成さんはほんとにカメラが好きなんですよね。『20歳のソウル』(2022)でもご一緒させていただきましたが、その時にカメラの話題で熱く盛り上がって話をされているのを見て、そんなに好きなら、成さんにぴったりなカメラマンの話はないかなと探したんです。そんな時、この原作に出会い今回の話が実現しました。今作は、成さんの趣味から生まれたような映画なのです。

 

佐野さん:

そうやってこの映画が生まれていたのですね。僕も今作で本格的にカメラが趣味になりました。ちょうどカメラを始めようと、ニコンのカメラを買った直後に、今作の出演についてお話をいただいて。さらに、役の太一のメインカメラも、偶然にもニコンの僕の私物と似たモデル。とても運命に感じました。

 

秋山監督:

佐野君が実際に撮った写真はエンディングにも多く使っているんですよ。ぜひ最後まで注目してください。

 

平泉さん:

私が撮った写真はなかなか使い物にならなくてね(笑)。フィルムはフォーカスを合わすのに時間がかかってしまって、でもその間にも芝居はしなくてはいけない。フォーカスが合っていなくても合っているフリをして撮っていました(笑)

 

佐野さん:

カメラのシーンで言うと、黒木瞳さんとのシーンはとても緊張しました。黒木さんも僕も涙を流してて、撮りなおしの効かないワンテイク。芝居もしながら、写真もしっかり撮らなければいけないということでとてもドキドキしました。

 

平泉さん:

あそこはいいシーンだったね。僕も観て泣いてしまいましたよ。佐野君は感受性がとても豊かで、あと常にリラックスしているように見える、自然さも良いですね。相手が少し芝居を変えても柔軟に対応ができて、人柄もそうですが、役者としても素晴らしいと思います。

 

佐野さん:

わぁ、嬉しい、、、!

 

 

秋山監督:

僕も佐野君は郷土が同じで、デビュー前から応援しています。『20歳のソウル』に続き、2回目のオファーですが、その時からプレゼントした演劇の本を2回も読みこみ、みるみるうちに上達していくのを見ていました。『20歳のソウル』の時の師匠が佐藤浩市さん、そして今作では平泉成さん。師匠にとても恵まれていますよね。

 

佐野さん:

大先輩と共演させていただく機会が多く、ほんとうに学ばせていただいています。今作も成さんへの愛で多くの大御所の皆さんが友情出演されていて、皆さんはじめましてだったのでとても緊張しました。唯一、浩市さんとのシーンは前回も共演していることもありリラックスできたと思います。

 

本作にはゴロウさんというわんちゃんの出演も、、、

佐野さん:

ゴロウさん、可愛いですよね~!

 

平泉さん:

僕は正直、犬が苦手で、、、。

 

秋山監督:

それを知らなくて(笑)。成さんが良い感じでゴロウさんと戯れているから、きっと好きなんだと思って長く撮っていたんです。そしたら後から「苦手なんだよ~」って聞いて。

 

平泉さん:

僕は犬と戯れるシーンがある役を断ったことがあるくらい苦手なんですよ(笑)。なので聞いていなくてよかったです。あのシーンは息子との確執もあって、1人寂しくいるところにわんちゃんが駆け寄ってくれるシーン。作品としては良いシーンでしたよね。

 

佐野さん:

あんな大きなわんちゃんですが、まだ2歳の子どもなので、とてもヤンチャでね。成さん振り回されてましたよね(笑)

 

平泉さん:

どーんと飛び込んでくるので、すごくびっくりしましたよ。

 

秋山監督:

撮ってる方としては、とても美味しい!と思いましたけどね(笑)

 

 

注目してほしいシーンは?

佐野さん:

僕は、最後の結婚式のシーン。ファインダーを覗く成さんの顔に注目してほしいです。撮影自体も終盤に撮っていて、それまでの歴史も感じているからこそ、成さんの顔を見ているだけで涙が出てくるような時間でした。

 

最後に、、、

秋山監督:

成さんが80歳となり、また佐野君のデビュー直後という、奇跡のようなタイミングで公開を迎えられたこと、この作品自体が世に出たいと言っているように感じています。映画って、刺激的なものももちろん面白く僕自身も好きなのですが、本作のように日常を描いたような作品もあっていいと思うし、作り続けなければいけないものだと思っています。映画は公開されたら、もうご覧になった皆さんのものです。どう解釈いただいてもそれが正解です。皆さんの映画として、それぞれの感性で何度でも楽しんで頂けたら嬉しく思います。

 

佐野さん:

成さんのキャリア60年、80歳の節目という大事な作品で、相手役として共演させていただき、ほんとうに幸せでした。観ていただいたらこの作品の温かさが伝わると思うのですが、その温かさというのは原作や脚本の素晴らしさはもちろん、成さんが一番前で走ってくれているからこそだと思いました。成さんのためならと集まった豪華な友情出演の皆さん、成さんの背中を追いかけたい若手の僕ら、成さん主演の作品をどうしても撮りたい監督はじめ制作スタッフの皆さんが集まり、こんなにも優しい涙が流せる作品が出来上がりました。観終わった後には、皆さんの”想い残し”と向き合うきっかけとなれたら嬉しいです。

 

平泉さん:

秋山純監督の映画に対する情熱が、こんなにも温かくて優しい作品を作ってくれました。愛知県出身である私が、ここ愛知で皆さんの前でこのようにお話しでき嬉しく思います。本日はありがとうございました。

 

映画『明日を綴る写真館』

あるた梨沙による同名漫画を原作とした映画『明日を綴る写真館』。

 

日本を代表する名優・平泉成が60年にわたる俳優人生の中で初めて演じる”主人公”は、自信の趣味である写真撮影ともリンクする、ベテランカメラマン役です。相手役には、相手役には、5月15日にCDデビューを果たし注目を集める「Aぇ! group」所属の期待の新人、佐野晶哉。

 

さらに平泉の初主演を祝福するかのように集結した、佐藤浩市、吉瀬美智子、高橋克典、田中健、美保純、赤井秀和、黒木瞳、市毛良枝など、豪華俳優陣が集結しています。

 

平泉の地元でもある、愛知県岡崎市の撮影協力のもと、誰もが抱えている人生の”想い残し”をテーマとした、美しくも優しい感動作が誕生しました。

 

▼予告編はこちら

▼ストーリー

さびれた写真館を営む無口なカメラマン・鮫島(平泉成)。彼の写真に心を奪われた気鋭のカメラマン・太一(佐野晶哉)は華々しいキャリアを捨て、弟子入りを志願する。家族とのコミュニケーションすら避けてきた太一は、訪れる客と丁寧に対話を重ね、カメラマンと被写体という関係を超えてまで深く関わる鮫島の姿に驚きを隠せない。人々の抱える悩みや問題のために必死に奔走する鮫島に振り回されながらも、自分に足りないものに気づき始める太一。同時に、鮫島とその家族にも目を背けてきた”想い残し”があることを知る。変わりゆく太一が、悔いのない未来のために踏み出した一歩。その先に続く、思いもよらない奇跡に涙するーー。

 

【タイトル】

明日を綴る写真館

【公開】

2024年6月7日(金)より公開中

【企画・監督・プロデュース】

秋山純

【原作】

あるた梨沙「明日を綴る写真館」(BRIDGE COMICS / KADOKAWA刊)

【出演】

平泉 成

佐野晶哉(Aぇ! group)

嘉島 陸 咲貴 田中洸希 吉田 玲 林田岬優

佐藤浩市 吉瀬美智子 高橋克典 田中 健 美保 純 赤井英和

黒木 瞳 /  市毛良枝

【配給】

アスミック・エース

©2024「明日を綴る写真館」製作委員会 ©あるた梨沙/KADOKAWA

公式サイトはこちら

公式X:@shashinkan_m

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2024.06.18

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