2022.06.09
1983年、東京・西新宿で初演を迎え、日本初のロングラン公演を実現した歴史的名作『キャッツ』が、7月18日(月・祝)、約21年ぶりに名古屋にやってきます!
過去、テント式仮設劇場や、新名古屋ミュージカル劇場で公演が行われてきましたが、名駅南にある「名古屋四季劇場」での『キャッツ』の公演は初めて。
物語の舞台は都会のゴミ捨て場。猫の視線に合わせて約3~5倍の大きさで作られた巨大なゴミの数々が、舞台や客席に設置され、まるで猫の世界に足を踏み入れたかのような感覚を楽しめるのが『キャッツ』の魅力の一つ。新たな劇場でどんな公演を見せてくれるのか、今から期待が膨らみます。
また公演地ごと、その土地ならではの“ご当地ゴミ”も名物の一つ。21年前の名古屋公演では、中日ドラゴンズのヘルメットなどが設置されましたが、今回はどんな“ご当地ゴミ”が登場するのか、注目したいポイントです!
4月に行われた取材会で、劇団四季代表取締役社長 吉田智誉樹氏は、「『キャッツ』は、時代の息吹を吸収しながら常に進化をし続けている作品。過去2回の名古屋公演では披露されていなかったナンバーが復活していたり、曲調ががらりと変わったナンバーがあったりと、前回の公演とは異なる点も多いと思うのでぜひその変化も楽しんでいただきたい。」と語りました。
また、「我々が行っているライブエンターテイメント、これは、見せる側が稽古し集まって、またそこに見る側も足を運んで集まっていただく、とても不自由なもの。コロナの感染が広がった当初は、配信などの代替手段に切り替えた方がよいのではという声も上がりましたが、我々はこの不自由さがもたらす感動の力というのはとても大きなものだと信じています。演劇には俳優とお客様が直接相対し同じ空気を共有する「同時性」や、何度公演を行っても全く同じ舞台は存在しない「一回性」という性質があり、これが演劇の魅力の源泉です。コロナをきっかけにたくさん悩みましたが、明日もこの”生の良さ”を信じて、続けていくしかないと思っております」と、劇場での公演のこだわりが語られました。
また今回は『キャッツ』でランペルティーザ役を務めている長谷川 彩乃(はせがわ あやの)さんにナゴヤドットが単独インタビュー!『キャッツ』の見どころについてたっぷりと語っていただきました!
マンゴジェリーと一緒に泥棒やいたずらをして人間たちを困らせている猫・ランペルティーザを演じる長谷川さん。まずは長谷川さんにとって、『キャッツ』がどんな作品であるかお伺いしました。
長谷川:「わたしにとって『キャッツ』は、この演劇の世界に足を踏み入れるきっかけとなったとても大切な作品です。小学生のころ、当時大阪で公演されていた『キャッツ』に母親が連れて行ってくれました。こんな世界があるんだ、いつか『キャッツ』の舞台に立ってみたいと、夢見たことを覚えています。劇団四季に入ってからも、思い入れが強すぎて、自信もなく、なかなか作品のオーディションを受けられずにいたので、今こうして出演させていただいていることが本当に夢のようです。」
「初めて観劇した時から惹かれていたのがランペルティーザでした。踊りながら歌う元気いっぱいの猫で、身体能力が問われる役でもあります。とても可愛くて、それでいて自分を持っている強い部分もある、個性的なキャラクターなんです。
1番の見どころとなるのは、「マンゴジェリーとランペルティーザー小泥棒」。舞踏会で猫たちが順番に紹介されていくのですが、マンゴジェリーとランペルティーザは自分たちで自らを紹介するナンバーとなっているのが特徴です。たくさんの猫たちが出演している中、そのシーンだけは2人だけでストーリーを進める時間となっているので、ぜひ注目して見ていただきたい場面です。」
「私は『キャッツ』で一匹でも多くの猫を見ていただきたいと思っています。すべての俳優が猫をそれぞれ研究して演じていて、観れば観るほど、「この猫、こんなところであんなことしていたんだ」と発見があるんです。2幕の冒頭は特にそう。ジェリーロラムとアスパラガスの2匹が語っている後ろで、眠っていたり、遊んでいたり、面白そうだと思ったら話を聞いたり、猫の気ままな様子がありありと表現されています。舞台セットと合わせて、隅々まで見て楽しんでいただければと思います。
また、どの猫も素敵なのですが、私が大好きなのはグリザベラという猫です。若い頃は名の知れた娼婦で、華やかな世界にいたけれど、今は老い、孤独な姿となっています。終盤で歌われる有名なナンバー「メモリー」は、かつての華やかな世界に思いを馳せながらも、明日を夢見て前を向いていく歌詞がとても素敵。舞台上で聞きながらいつも心を打たれます。コロナ禍で、当たり前が当たり前ではなくなった現代にも共感できる歌詞となっているので、ぜひ聞き入っていただけたらと思います。」
「2時間半近くの公演の中、たくさんの猫たちが歌って踊って、そして迎えるラストの、長老猫・オールドデュトロノミ―によるナンバー「猫からのごあいさつ」。その他の猫たちはただ前を向いてそのナンバーを聞いているだけなのですが、その立ち振る舞いからそれぞれの生き様が感じられてとてもカッコいいシーンです。
「忘れてはいけない 猫は犬にあらず」という歌詞からは、猫であることへの強い誇りが感じられて、自分は自分で、他の何者にもなる必要がないんだということを気づかせてくれます。『キャッツ』は猫の世界が題材になっていますが、人間社会にも通ずるところがあり、観る度に学ぶことや共感することがあるなと感じます。
観る時の心情やそれまでの経験によって、受け取り方は変わってくると思うので、その時の素直な気持ちでまっすぐに『キャッツ』のメッセージを受け取っていただけたらと思います。また、ここ名古屋の劇場で上演する『キャッツ』はここでしか味わうことはできません。座る場所によっても見える猫が変わったり、見えるゴミが変わったりと、作品の表情が異なりますので、この機会に何度でも訪れていただけたら幸いです!」
現在は12月30日(金)公演分までチケット発売中!
【ネット予約】
SHIKI ON-LINE TICKET(24時間受付)
【直接購入】
名古屋四季劇場ほか劇団四季の各専用劇場(自由劇場を除く)チケットボックス
イベント情報
『キャッツ』名古屋公演
2022.06.09