NAGOYA.(ナゴヤドット)

SPECIAL INTERVIEW「LOVE PSYCHEDELICOが名古屋にやって来た!」

アコースティックで楽しめるようにリアレンジ。椅子に座って、ゆったりと聴いてほしい

初のアコースティック作品のリリースに続いて、全国のファンへその魅力を届けるために、ただ今、長期ツアー中の『LOVE PSYCHEDELICO』。独創的な音楽スタイルとはひと味違うアコースティックスタイルについて、卓越したギターテクニックを誇るNAOKIに名古屋で直撃!

 

―アコースティックツアーを行うきっかけは?

10年ほど前、アメリカのサンタモニカでの活動中にライブハウスやアップルストアで行ったアコースティックライブが始まりで、いつか日本のオーディエンスの前でも披露できれば、と考えていました。ツアーやプロモーション的なものとは離れたところで、フットワーク軽くライフワーク的に、いつでもふたりで音楽を奏でたいという思いもあり、ずっと温めていましたが、それが形になったのが2014年頃。その後、都内で少しずつアコースティックライブを行っていく中、色々な地方からラブコールをいただいて20本にまで膨らんだというのが、今回のツアーですね。今まで行ったことのない地方にも行きますよ!

 

―ライブの構成は?

ほぼ全ての曲をアコースティックで楽しんでもらえるようにリアレンジしました。バンドとの一番の違いはKUMIの歌が本当にしっかりと聴こえること。椅子に座ってゆっくりと聴いてもらいたいですね。また普段あまり聴くことのないウクレレやマンドリン、バンジョー、ラップスティールなど色々な国の楽器も楽しんでもらえたら嬉しいです。様々な楽器と常に戯れたい『LOVE PSYCHEDELICO』ですから(笑)

 

―「TWO OF US」は初めてのアコースティック作品で、ツアー前に名刺代わりの一枚といった印象です。レコーディングにあたり、意識したことはありますか?

ブルーレイ6曲(配信は5曲)をスタジオ一発録りするという、ほのかな緊張感も収録できれば、という感じでした。一発録りは素晴らしいですね。周りにも自分にも言い訳できないし、マイクもたくさん立っているから修正もできない。ビートルズの1stアルバムのように、素晴らしい一発録りの作品はたくさんあるので、同じ緊張感を少しでも味わうことができて良かったです。

 

―ブルーレイでは終始微笑みながら歌っているKUMIさんが印象的でした。レコーディング時の雰囲気は?

意地になって何かを表現しようという気負いはなかったけど、ボーカルの息づかいとか、ミストーンも含めたライブ感とか…瞬間芸術のひとつというか、レコードのようなアウトプットは意識しました。一度切りの空気や時間を封じ込めるという音楽が自分たちのアルバムも含めて少なくなっている中、できるだけ荒削りな部分も含めて収録しようと思いました。もともとレコードは記録という意味ですから。プレスリーやビートルズの1stの時代はその意味合いが強くて“その時代に戻ろうぜ”ということでは全然ないけど、レコードはその日の記録ということに立ち返ることができたのは、すごく良かったですね。

 

名古屋の熱いファンへ、いつもと違うアコースティックで、今まで見たことのない『LOVE PSYCHEDELICO』を。

―選曲のコンセプトは?

10年前、アメリカでアコースティックライブを始めたんですが『LOVE PSYCHEDELICO』のことを知らなくても、スライドギターだと、すごく受けるんですね。スライドバーが使えるだけで「お前のギター好きだ!」みたいな熱い国民性で(笑)。「LADY MADONNA」のスライドのアイデアはアメリカで『LOVE PSYCHEDELICO』を初めて聴く人にとって、とても有効でした。アメリカでのライブを前提に生まれたアレンジですが、いつか日本でも披露したいという思いがありました。大切なデビュー曲が違う形に生まれ変わったところを、日本の皆さんにも聴いてもらいたかったので、まずは「LADY MADONNA」を選びましたね。また「Sally」はKUMIが出産後、最初にレコーディングした曲ということで、特に思い入れのある一曲ですが、クリスマスソングだから披露する機会が中々なくて…。今回はアコースティックですが、色々と自由にできるタイミングということでKUMIが「Sally」は必ず歌いたいと。最新曲とデビュー、まずはこの2曲が決まりましたね。

 

―選曲に関して悩みましたか?取捨選択の決め手は?

出産を終えたKUMIのハッピーなオーラというか、彼女の感覚を頼りにしているので、基本的にはKUMIが歌いたい曲、今の気分にあっている曲かどうか、が大きかったですね。

 

―バランス良く、素敵な6曲と感じました。

何よりもKUMIがこれらの曲を歌う気分だったということ。それって音楽にとってとても大切なことだと思います。“カッコいいアコースティックをやろう”とか“打倒MTVアンプラグド!”とかではなくて(笑)。KUMIはそういったプロモーション的なことを一切持ち込まないタイプで、僕はどちらかというとそれに乗っかったという感じですね。基本的にKUMIの感覚を信じて道を誤ることはないですね。良い役割分担ができていると思います。

 

―最後に名古屋のファンへひとこと。

デビュー当時から、名古屋は熱いファンが多くて特別盛り上がる場所ですね。今回は、名古屋で初めてのホールコンサートで、今までライブハウスで楽しんできてくれた皆さんに椅子をプレゼントできることが、ひとつの恩返しになれば、と思います。一緒に熱いライブを作ってきた名古屋の皆さんへ、いつもと違うアコースティックで、今まで見たことのない『LOVE PSYCHEDELICO』をお楽しみください。

 

『“TWO OF US”Acoustic Session Recording at VICTOR STUDIO 302』
Blu-ray2,700円 配信アルバム1,100円(iTunes Store)ほか
ビクターエンタテインメント

初のアコースティック作品。ツアーに先駆けてビクタースタジオで行われたセッションレコーディング作品。ブルーレイは1カット構成で、息づかいも伝わる贅沢な空間を演出している。デビュー曲から最新曲までブルーレイ6曲、配信アルバム5曲、ある一日のレコーディングの“記録(レコード)”として“記憶”にも残る作品に。※Blu-rayはライブ会場及びレーベル公式サイトのみで限定販売予定。

 

『Premium Acoustic Live “TWO OF US” Tour 2019』
6月26日(水)
日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール
OPEN18:30 / START19:00
問合せ:ジェイルハウス052-936-6041

 

LOVE PSYCHEDELICO
KUMIとNAOKIにより1997年結成。2000年4月にシングル「LADY MADONNA~憂鬱なるスパイダー~」でデビュー。2001年リリースの1stアルバム「THE GREATEST HITS」は200万枚、自身のユニット名を冠した2ndアルバム「LOVE PSYCHEDELIC ORCHESTRA』も100万枚を超える驚異的なセールスを記録。現在までにシングル14枚、オリジナルアルバム7枚を発表。現在は全国18ヶ所20公演のアコースティックスタイルでの全国ツアーを開催中。